オールオン4とは
オールオン4(All-on-4)は、前歯から奥歯まで一体になった形状の特殊なインプラント治療を指します。 この治療では、顎の骨に4本のインプラントを埋入し、それによって上から義歯をしっかりと固定します。この仕組みにより、たった4本のインプラントだけで、12本もの義歯を支えられるようになります。
言い換えれば、通常の方法で1本ずつインプラントを埋めるのではなく、最小限の本数でまとまった義歯を支える治療法と言えます。そのため、オールオン4では基本的に骨移植(骨造成)などの治療が不要で、インプラントが行えます。
オールオン4のメリット・デメリット オールオン4と
インプラントの違い
こんな方におすすめ
- ほとんどの歯をインプラントにしたいと考えている方
- 治療費用をなるべく抑えたい方
- 入れ歯よりも健康面・機能面で優れた義歯を求めている方
- 口元の審美性にこだわる方
- 身体への負担を減らしながらインプラントにしたい方
オールオン4は、費用面や身体への負担を最小限に抑えつつ、同時に審美性や機能面で優れたインプラントを実現できる治療法です。多くの歯を天然歯に近い義歯にしたいと考えている方にとって、最適な選択となるでしょう。
オールオン4の実績
世界各国で実績のある「オールオン4」インプラント。
オールオン4(All-on-4)は、ポルトガルの首都リスボンの医師であり、インプラントの世界的権威であるDr.パウロ・マロによって開発されたインプラントシステムです。
その成功率の高さや長期的な成功例は、世界各国で広く報告されています。
オールオン4の寿命
オールオン4の寿命は通常10年以上とされています。この点で、一般的なインプラントと同様に、オールオン4も非常に長い寿命を誇ります。
通常のインプラントの寿命については、以下のような統計があります。
5年目 | 96.3% |
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10年目 | 92.6% |
13年目 | 89.9% |
20年目 | 86% |
(出典:JSTAGE:(PDF)経過例からインプラント治療の長期寿命を検証する、JSTAGE:(PDF)20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査)
治療完了後10年目でも90%以上がインプラントを失っておらず、20年目でも85%以上がインプラントを維持していることが報告されています。中には36年間もインプラントを失わなかったケースもあります。
ただし、寿命を長く保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラントの寿命を伸ばすためには、毎年のメンテナンスと日々のケアが重要です。
36年間インプラントを保った例でも、毎年1回のメンテナンスを受けていたことが確認されています。
オールオン4の手術
オールオン4の治療は、一般的なインプラント治療に比べて非常にシンプルです。
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カウンセリング・術前検査
まずはオールオン4の治療が可能であるかを確認するために、カウンセリングや術前検査が行われます。検査内容には歯周検査、口腔内の写真撮影、CT検査、パノラマレントゲン撮影、噛み合わせの確認などが含まれ、これによって患者の口腔内や顎の骨の状態が詳細に確認されます。
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手術・仮歯装着
治療計画が決まったら、インプラント埋入のための手術が行われます。手術当日は局所麻酔か静脈内麻酔が選択され、必要に応じて抜歯が行われます。歯肉を切開し、インプラントを埋入した後に縫合を行います。手術後は仮歯が装着され、手術は完了となります。仮歯装着が翌日以降になる場合もあります。
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最終的な義歯を装着
手術後、3~6か月ほど経過したら最終的な義歯が装着され、問題がなければ治療は完了します。仮歯での経過観察では、噛み合わせや見た目、インプラントと顎の骨の結合具合が確認されます。
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定期健診
治療が完了した後も、オールオン4の定期検診が重要です。検診では噛み合わせの確認や調整、歯周病の予防ケア、ブラッシングの確認や指導が行われます。定期検診を怠ると治療が計画どおり進まない可能性があります。また、定期検診を受けないとインプラントの保証を受けられないこともあるため、注意が必要です。
治療期間・通院回数