ジルコニアは人工のダイヤモンドとも称され、その硬度は非常に高く、例えば像に踏まれても割れないほど頑丈な素材です。
白く美しい色味を持ちますが、セラミックと比べると透明度などが劣っています。
ジルコニアとセラミックの色の違い
ジルコニアはブロックから削り出して作られるため、単色で透明度が高くありません。しかし、最近では色を追加するステイニング技術が進化し、昔のジルコニアと比べてかなり美しく仕上がるようになりました。
一方、セラミックは何十種類もの陶材を使用し、周りの歯の色を参考にしながら何度も細かく盛り付けて作り上げます。そのため、色合いや透明度、再現性は非常に優れています。
ジルコニアとセラミックの強度
ジルコニアの硬さは約1300Mpaで、歯の硬さ(400Mpa)の3倍以上と言われています。これにより、ジルコニアは非常に耐久性があり、長寿命な素材とされています。ただし、硬すぎるため、噛み合う歯を削るリスクもあります。最近では900Mpaのジルコニアも登場し、より歯に優しい選択肢となっています。
一方、セラミックの硬さは360〜410Mpaで、ほぼ歯の硬さ(400Mpa)に近いです。これにより、ジルコニアよりも欠けやすい特徴がありますが、歯に対してはより優しい素材です。
どちらの素材を選んでも寿命を伸ばすためには、ナイトガードの使用が必要であり、予防に努めることが重要です。
寿命について
ジルコニアとセラミック
前歯と奥歯でどっちがいいの?
ジルコニアはその強度から、奥歯での食べ物の噛み砕きなど、歯にかかる負担に対して適しています。一般的には奥歯に使用されることが多く、見た目が単色であるため審美的な問題はほとんどありません。最新のジルコニア(FCZ)にはグラディエーションを入れることも可能で、前歯としても適しています。
一方で、セラミックは審美的な要素が高く、前歯に使用されることが一般的ですが、硬い反面、脆い素材でもあります。そのため、奥歯にはあまり適していないと言えます。
ただし、噛み合わせや歯の配置、食いしばりや歯ぎしりの習慣などは個人差があります。どちらの材料が最適かは状況により異なるため、歯科医師との相談を通じて、ご自身に合った素材を選択することが重要です。