インプラントとオールオン4は、どちらも「インプラント治療」であるという点は同じ治療法です。
オールオン4はあくまでもインプラントの治療方法の一種であり、全ての歯を失ったなどの難症例に対応するひとつの手段としての治療法となります。
インプラントとは
インプラントとは、歯を失った時に使う人工歯の一種です。歯根の部分を顎骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付けます。主に3つのパーツで構成され、インプラント体は顎骨に埋まり、支台部が取り付けられ、最後に人工歯が取り付けられます。
材料は主にチタンで、サイズは直径が3~5mm、長さは6~18mmです。人工歯の部分はプラスチックやセラミックなどが使われます。
オールオン4とは
オールオン4は、インプラント治療の1種で、片側の顎に最低4本のインプラントを埋め込んで、その上に全体的に噛めるような固定性の義歯を取り付ける治療法です。
通常、歯が抜けてしまった部分には、1本の歯につき1本のインプラントが必要です。しかし、歯が多く失われている場合、例えば10本の歯が抜けている場合、通常はそれに対応して10本のインプラントを埋め込む必要があり、これは身体的にも経済的にも大きな負担となります。
オールオン4では、最小4本のインプラントを使って、広範な歯の欠損に対応します。この方法を選ぶことで、通常よりも少ない本数のインプラントで治療ができ、負担を軽減できます。
オールオン4についてインプラントと
オールオン4の違い
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対象としている人
インプラントは1本単位で義歯を作成でき、幅広い年齢層に適しています。
オールオン4は総入れ歯をしている人や失っている歯が多い人を対象としており、全体の機能や審美性を重視する傾向があります。
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身体的な負担の少なさ
インプラント治療は通常の場合、埋入する本数に応じて切開する部分が増え、身体的な負担が大きくなります。
オールオン4は最小4本のインプラントで済むため、切開する場所が最小限に抑えられます。手術当日に仮歯の装着までできるケースもあります。
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費用的な負担の少なさ
インプラント治療は本数に応じて費用がかかるため、複数の歯をインプラントにする場合は、トータルコストが高額になることがあります。
オールオン4は最小限の本数で治療が完了するため、義歯の本数が多くても費用負担が軽減できます。
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審美性の違い
インプラントはインプラント自体は非常に審美性に優れているため1本単位で見ると綺麗ですが、一部だけを治療する場合、既存の歯並びや歯肉の状態を尊重しつつ義歯を作成するため、患者の口腔内の状態によります。
オールオン4は既存の歯がない、もしくは抜歯して治療するため、歯並びや歯茎を自由に調整でき、全体的な審美性が向上します。
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お手入れの楽さ
インプラント治療の本数が多いほどお手入れの手間が増え、通院頻度も上がります。ホームメンテナンスが欠かせません。
オールオン4は清掃する本数が少なく、管理が楽にできます。定期健診も必要ですが、頻度や通院時間が短めになります。